消費税の基本的なしくみについて説明させて頂きます。
申告書、届出書類は国税庁HPを参照してください→税務手続の案内(消費税) |
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- T.消費税はどんな税金か
- ○消費税とは
消費税とは商品を買ったりサービスを受けた時にかかる税金で、税金を負担する人と申告・納税する人が異なる間接税です。間接税の中でも、消費税は所得が少ない人ほど税負担の割合が多くなる、逆進税といわれています。
- 消費税は生産や流通のそれぞれの段階で、商品や製品が販売される都度、その販売価格に上乗せされてかかりますが、税を負担するのは最終的に商品・サービスを受ける消費者となります。
一方、税金を申告・納付するのは、その税金を価格の中に含めて預かった、個人や法人の事業者になります。ただし、消費税を預かる事業者でも、仕入れや経費の中に消費税が含まれていますので、売上げに係る消費税から仕入・経費に係る消費税を控除した残額を国に申告・納付しています。
○消費税の税率
平成26年4月1日から消費税率は8%となりましたが、そのうち国税である消費税の税率は6.3%です。そして、地方税である地方消費税(国税の17/63)が税率1.7%です。

※消費税と地方消費税を合わせた税率(旧税率)で説明しています。
- 国税庁HP参照→消費税の仕組み
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U.課税対象となるもの
- 課税対象となるかどうかは@国内においてA事業者が事業としてB対価を得て行うC資産の譲渡、貸付及び役務の提供であるか、で判定します。これを全て満たす場合に消費税の課税対象とされます。
判定する@〜Cの内容はそれぞれ次のとおりです。これに該当する方は消費税の確定申告が必要な人です。
@ 国内において
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消費税は国内において行われた取引のみ課税対象として、国外で行われた取引は課税対象外となります。また、輸入取引(保税地域から引き取られる外国貨物)も課税対象です。
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取引の内容 |
→資産の譲渡、貸付 |
→譲渡、貸付時にその資産が国内にあれば国内取引 |
→役務の提供 |
→その提供が行われた場所が国内であれば国内取引 |
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A 事業者が事業として
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消費税は事業者が事業として行うものに限って課税されますが、「事業」とは対価を得て行われる資産の譲渡等が反復、継続、独立して行われることをいいます。したがって、事業者となるのは個人事業者とすべての法人です。
例えば、サラリーマンが副業としてマンションを貸し付けている場合は事業となりますが、医師がたまたま講演を行った場合は、反復、継続といえないので、事業ではありません。 |
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B 対価を得て行う
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国内取引においては、有償のものが課税対象となるので、原則として無償取引は課税対象外です。そこで、課税対象となるかどうかは、対価性(反対給付、見返り)があるかの判断が重要となってきます。
例えば、商品の販売や事務所の貸付、工事代金の受取などは対価を得て行われる取引なので、課税対象となります。しかし、株主配当金や保険金、共済金等については、対価性がないものとして課税対象外となっています。また、祝金、見舞金も対価性が明白ではないので、課税対象外になっています。
ただし、個人事業者が事業用の資産を家事の為に消費した場合や、法人が資産を役員に対して贈与した場合には、対価を得て行われたものとして、消費税が課税されます。 |
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C 資産の譲渡、貸付及び役務の提供
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資産とは取引の対象となる一切の資産のことをいい、棚卸資産、固定資産のような有形資産のほか、権利や無形固定資産なども含まれます。
譲渡には、一般売買や、事業用資産の売却、現物出資や金銭債権の譲り受け等も含まれます。
また、貸付は不動産や土地、地上権・特許権等の工業所有権、使用権・著作物に係る出版権など、その他の者に資産を使用させる一切の行為が含まれます。
役務の提供とは土木工事、修繕、運送、保管、印刷、広告、仲介、興行、宿泊、飲食、技術援助、情報提供、便益、出演、著述などのサービスを提供することをいいます。
弁護士、公認会計士、税理士、作家、スポーツ選手、映画監督による専門的知識、技能等に基づく役務の提供もこれに含まれます。 |
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以下の具体例も参考にしてください。
国税庁HP参照→資産の譲渡の具体例
国税庁HP参照→資産の貸付けの具体例
国税庁HP参照→役務の提供の具体例
国税庁HP参照→課税の対象とならないもの(不課税)の具体例
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V.非課税取引
- 「U.課税対象となるもの」で説明した取引であっても、消費になじまないものや、社会政策的配慮に基づき一定のものについては、非課税規定が設けられています。
非課税となるのは次の@からPまでのものですが、そのうち@からGまでは消費になじまないもの、HからPまでは社会政策的配慮に基づくものだといえます。
@土地の譲渡及び貸付け
A有価証券等の譲渡
B支払手段の譲渡
C預貯金の利子及び保険料を対価とする役務の提供等
D郵便切手類、印紙などの譲渡
E商品券、プリペイドカードなどの物品切手等の譲渡
F国等が行う一定の事務に係る役務の提供
G外国為替業務に係る役務の提供
H社会保険医療の給付等
I介護保険サービスの提供
J社会福祉事業等によるサービスの提供
K助産に係る資産の譲渡等
L火葬料や埋葬料を対価とする役務の提供
M一定の身体障害者用物品の譲渡や貸付け
N学校教育
O教科用図書の譲渡
P住宅の貸付け
国税庁HP参照→課税取引・非課税取引
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W.納税義務者
- 消費税法第5条では、「事業者は、国内において行った課税資産の譲渡等につき、この法律により、消費税を納める義務がある」とされています。
事業者及び課税資産の譲渡等は既に説明した通りです。
なお、消費税は国内における取引を課税対象としていますので、国や地方公共団体、公益法人等はもちろん、非居住者や外国法人も非課税とされる取引を除き、納税義務者となります。
輸入貨物については課税貨物を保税地域から引取る者、つまり輸入者が納税義務者となります。
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X.課税期間と免税
- 納税義務の判定基準となる課税期間は、個人事業者であれば前々年、法人であれば前々期となります。ただし、事業年度が一年に満たない法人の場合は、その事業年度開始の日の2年前の日の前日から同日以後一年を経過する日までの間に開始した各事業年度を合わせた期間の課税売上高を月数で割り、12を掛けた金額で判定します。
この課税期間の課税売上高が1千万円以下の事業者は消費税の納税が免除となります。
国税庁HP参照→納税義務の免除
新規に開業した個人事業者、設立した法人は、基準期間が無い為、原則2年間は納税義務が免除されます。ただし、資本金1千万円以上の法人は基準期間がない事業年度であっても納税義務が免除されませんので、注意してください。
国税庁HP参照→基準期間がない法人の納税義務の特例
消費税法の改正により、平成25年1月1日以降に開始する事業年度については、基準期間の課税売上高が1千万円以下であっても、その事業年度開始から半年間の課税売上高、若しくは給与等の支払額が1千万円を超えた場合には当期から課税事業者となります。
給与等の支払額が課税売上高より多いという事が殆ど無いでしょうから、実務上、給与等の支払額が1千万円を超えるかどうかで判断して良いと考えられます。
※平成22年度消費税法改正により、平成22年4月1日以降に調整対象固定資産を取得した一定の事業者は、原則として3年間は免税事業者となることはできません。
国税庁HP参照:消費税法改正のお知らせ
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※税法の改正や個々の事情により掲載の内容と異なる場合があります。
個別の案件に関しましては、税理士にお尋ねください。 |
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